「2025年の崖」を乗り越えるために業務フロー図を

製造業DX化に向け2025年の崖を乗り越えようイメージ図

製造業における「2025年の崖」とは?

「2025年問題」とは、日本に約800万人いるとされる「団塊の世代」(1947~1949年生まれ)が75歳以上の後期高齢者になることで起こるさまざまな問題の総称です。

経済産業省によると、あらゆる産業において多くの旧来システムの技術的サポートが、2025年を境に終了されると予想されているとのこと。

さらに、「既存システムの運用とメンテナンスは年々コストが増大するのみならず、歴史的に積み上げられてきた機能に対して、全貌を知る社員が高齢化したり、退職したりして、更新におけるリスクも高まっている。複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025年までに予想される IT人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性がある」というのです。

図:経済産業省のサイトより引用。(注)経済損失の算出根拠について:レガシーシステムに起因したシステム障害によるこれまでの経済損失を約4兆円/年とし、その3倍の約12兆円/年にのぼると経済産業省が推定したとのこと。詳しくは経済産業省のサイトを参照下さい。

生産管理システム導入は製造業DXの始まり

2025年の崖を回避するためにはDX化は必至です。

DXとは、「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略称で、デジタル技術によってビジネスモデルや業務に変革を起こし、企業の持続的な発展を目指すことを目的とします。

製造業においても、今後 DX によりビジネスをどう変えるかといった経営戦略の方向性を定めていくことが大切です。が、経済産業省によると、「そもそも、既存システムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化する中では、データを十分に活用しきれず、新しいデジタル技術を導入したとしても、データの利活用・連携が限定的であるため、その効果も限定的となってしまうという問題が指摘されている。また、既存システムの問題を解消しようとすると、ビジネス・プロセスそのものの刷新が必要となり、これに対する現場サイドの抵抗が大きいため、いかにこれを実行するかが課題となっているとの指摘もなされている。」との分析があります。

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つまり、こうした既存の ITシステムを巡る問題を解消しない限りは、新規ビジネスを生み出し、かつ俊敏にビジネス・モデルを変革できず、結果としてDX を本格的に展開することは困難であるというのです。

加えて、

企業内が実は一枚岩ではないケースも多い。事業部ごとに個別最適されたバラバラなシステムを利用しており、全体最適化・標準化を試みても、各事業部が抵抗勢力となって前に進まない。すなわち、既存システムの問題を解決するためには、業務自体の見直しも求められることになるが、それに対する現場サイドの抵抗が大きく、いかに実行するかが大きな課題となっている。
DX を実行するための既存システムの刷新の必要性やそのための実行プロセス、経営層・事業部門・情報システム部門のあるべき役割分担について、それぞれ十分な理解が浸透していない状況にある(経済産業省サイトより)」ということです。

既存システムの刷新はなにから始める?

先述した通り、DX化を検討するにあたり、ビジネスの観点で困っていることが何か、あるべき姿が何かを考え、経営層・事業部門・情報システム部門等でまずは現状の把握と、未来像について意識を統一していくことが必要になります。

具体的には、以下の3つのポイントで動いていきます。

Point1:情報収集

システムに求める希望①誰が困っているのか?②何に困っているのか?③どんな状態を求めているのか、を明確にするために「工程フローや業務フローの作成」や「システムを利用しているイメージ作り」をしてみる。

Point2:予算決め

IT導入補助金2024の概要も発表になりましたので、補助金対象のシステム導入なども検討していきます。

Point3:時期決め

新システム本番稼働時期とそこに至る各ステップのスケジュールを逆算して考えていきます。半年から1年以上かかることもあります。

なお、2の「予算」や3の「時期」については、経営陣や各部署の意向が関わってきますので、DX化推進プロジェクト担当者がまず最初にできることは1の「情報収集」および「社内業務フロー」作成ではないでしょうか。

まずは業務内容を「棚卸」してフロー図にしてみる

業務フローの作成、と言ってもあらためて図にしようとすると意外と全体像が分かっていない場合が多く、おのずと各部署や担当者と情報交換をする機会が増えてきます。こうした社内間のコミュニケーションこそが業務改革やDX化には欠かせません。まずは手書きでも良いのでラフ案を作り、社内で見てもらうツールにしてはいかがでしょう。

フローチャートの清書には、WordやExcel、PowerPointに備わっている「図形描画ツール」を使っても良いですし、WEB上の無料ツールを使う手もあります。データの流れや問題解決の手順を図解で表すことにより、複雑な業務プロセスやシステムなどを分かりやすく見せることができ、関係者の頭の中も整理されていきます。

例えば、「Lucidchart」は無料で使えるフローチャート作成サイトです(有料コースもあり)。どんなフロー図でも作れ、共同作業やプレゼンテーション、今主流のソフトと連携しています。フロー図作成に特化しているため、多様な図形や記号が用意されています。

■Lucidchartの最初の画面(左)とテンプレート選択画面(右)

■描画ツールが豊富でフロー図の作成が容易(左)PDFやPNG形式に出力保存できる(右)

大切なのはまずは「たたき台」を作って動き出すこと

システムを新規に入れる、または、入れ替える、となると相応の労力と年月を要します。さらに、製造現場スタッフのスキルアップも必要となり、従来の仕事の進め方や慣習を大きく変える必要も出てきます。まさにDX化は「組織文化の変革」なのです。

例えば、キッチンの模様替えをイメージしてみてください。今まで深く考えずに収納していた鍋や調味料の位置、家電や食器などの置き場を、生活導線を意識してガラっと変えることで、モノの管理がしやすくなったり料理の作業がしやすくなったという経験はありませんか?

その際、最初から「台所の模様替えするぞー!」とか「収納の整理整頓をしなくちゃ!」と思うと急に気が重くなり先延ばしにしたくなりますよね。

が、まずは小さな引き出しの中をひとつだけ整理し始めてみてください。例えば、無料の割りばしをこんなにとっておく必要があるだろうか?と自問し少し処分してみる。その存在が別の道具を探しにくくしていることもあります。「わりばしの不要分を捨てる」という小さな行為でも、キッチン大改革への大事な一歩目です。

【参考】i-PROWの標準業務フロー図

生産管理システムi-PROWの標準業務フロー図

業務の流れについて簡単なフローチャートを作り始めてみる、という行為もDX化につながる大事な一歩目と考え、まずは抜けがあっても良いので作成し始めてみることをおススメします。他部署の協力や助言を求めることでそのフローチャートはどんどん洗練されていき、DX化の未来像がより具体的になっていくことでしょう。

2024年が始まって早ひと月が終わりました。

「崖」ではない、明るい2025年を迎えるために、この1年をかけてDX化を進めていきませんか?

DigitWorksでは、「Fit&Gap(フィットアンドギャップ)」という、お客様の業務フローに対するシステムの関わり方などを図解しながらお話を進めていくステップがありますが、その際、ベースとなる貴社の業務フロー図があるとより具体化しやすくなります。また、生産管理システム「i-PROWシリーズ」でどんなことが出来るのか、無料のデモも行っております。各機能の操作画面を見ていただきDX化の計画立案にぜひお役立てください。

フィットアンドギャップでより使いやすいシステム開発につながるイメージ図



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