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中小製造業にとってのGXとは

中小製造業にとってのGXとは?

これからの製造現場に求められる「見える化」と「管理」

近年、「GX」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
GXとは「グリーントランスフォーメーション」の略で、脱炭素や環境負荷の低減に取り組みながら、企業の成長や競争力向上につなげていく考え方です。

一見すると、大企業やエネルギー関連企業の取り組みのように感じられるかもしれません。
しかし、実は中小製造業にとっても、GXは今後ますます重要なテーマになっていくと考えられます。

製造業では、日々の生産活動の中で電力、ガス、燃料、材料など、さまざまな資源を使用しています。
また、設備の稼働時間、不良品の発生、材料ロス、再加工、在庫過多なども、結果としてエネルギーや資源のムダにつながります。

つまりGXとは、単に「環境に配慮しましょう」という話ではなく、
現場のムダを減らし、コストを抑え、取引先から選ばれ続ける会社になるための取り組みとも言えます。
 

取引先からも求められる環境対応

近年、大手企業では自社だけでなく、仕入先や外注先を含めたサプライチェーン全体でCO2排出量を削減する動きが広がっています。

そのため、今後は中小製造業にも、

「電力使用量を把握していますか?」
「CO2排出量の管理はしていますか?」
「省エネや環境負荷低減に取り組んでいますか?」

といった確認が増えていく可能性があります。

品質、納期、価格に加えて、環境対応も取引先から見られる時代になりつつあります。
GXへの取り組みは、将来的な取引継続や新規取引の面でも、大きな意味を持つようになるでしょう。
 

まず必要なのは、日々の数値を把握すること

GXに取り組むうえで、最初に必要になるのは「現状を知ること」です。

たとえば、次のような数値を日々記録・管理していくことが重要です。

  • 電力使用量
  • ガス・燃料の使用量
  • 設備の稼働時間
  • 生産数量
  • 不良数量
  • 材料使用量
  • 材料ロス
  • 再加工や手戻りの発生状況

これらの数値を把握することで、どの工程でムダが発生しているのか、どの設備の稼働にエネルギーが多く使われているのか、どの製品でロスが多いのかが見えてきます。

逆に言えば、数値が記録されていなければ、改善すべきポイントも見つけにくくなります。

GXを進めるためには、まず日々の生産活動に関わるデータを正しく入力し、蓄積し、確認できる仕組みが必要です。
 

2030年までに不良・材料ロスを減らす

2023年3月の経済産業省の資料によれば、まず日本全体では2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する目標があります。
これは国全体の目標ですが、大企業のサプライチェーンに入っている中小製造業にも、今後影響してくる可能性があります。

また、GX全体では、今後10年間で官民合わせて150兆円規模のGX投資を進める方向性が示されています。
これは、省エネ設備、再エネ、蓄電池、水素、素材産業の転換、資源循環、デジタル投資などに関わる大きな流れです。

経済産業省資料 (2023年3月時点)より引用


 

自動車産業では、2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%を目指す方針が示されており、資料では中小サプライヤーの業態転換も重要な課題として触れられています。
自動車関連部品を扱う製造業では、今後5〜10年で製品構成や取引先ニーズが変わる可能性があります。

蓄電池産業では、2030年までに国内150GWhの製造基盤、さらにグローバルで600GWhの製造能力を目指す方向性が示されています。
蓄電池本体だけでなく、材料、部品、製造装置、検査装置、金型、加工部品などに関係する企業にもチャンスが出てくる分野です。

資源循環では、プラスチックリサイクル量の倍増、バイオマスプラスチック200万トン導入、サーキュラーエコノミー市場約80兆円といった目標が示されています。

製造業では、材料ロス、廃棄物、再生材利用、リサイクル材のトレーサビリティが重要になっていきます。

再生可能エネルギーでは、2030年度に再エネ比率36〜38%を目指す方向性が示されています。工場単位では、太陽光発電の導入、再エネ電力メニューの利用、蓄電池活用などが検討テーマになります。
 

中小製造業では、まずこの5つを目標にすると現実的

1. まずは「測定できる状態」にする

まずはCO2削減そのものよりも、電気・ガス・燃料・生産数・不良数・材料ロスを毎月記録できる状態を作ることが重要です。

目標例としては、

  • 電力使用量を月次で記録する
  • ガス・燃料使用量を月次で記録する
  • 生産数、不良数、材料ロスを工程別に記録する
  • 設備ごとの稼働時間を記録する
  • 主要なエネルギー使用設備を一覧化する

というところから始めるとよいです。

2. 2027年までに「原単位」を見る

「原単位」とは、製品1単位または活動1単位あたりに消費・排出される資源・エネルギー・時間の量を指します。
単純な電気代だけでなく、製品1個あたり、1ロットあたり、1時間あたりにどれだけエネルギーを使っているかを見ることが大切です。たとえば、

  • 電力使用量 ÷ 生産数量
  • ガス使用量 ÷ 生産数量
  • 材料ロス ÷ 材料投入量
  • 不良数 ÷ 生産数量
  • 設備稼働時間 ÷ 生産数量

といった形です。
これにより、「売上が増えたから電気代が増えた」のか、「ムダが増えて電気代が増えた」のかを判断しやすくなります。

3. 2030年までにCO2削減目標を持つ

国の目標は2030年度46%削減ですが、すべての中小企業がすぐに同じ水準を達成するのは難しい場合もあります。
そのため、自社目標としてはまず、

  • 2030年までにCO2排出量を10%削減
  • 可能であれば20%削減
  • 取引先から要請がある場合は30%以上の削減計画も検討

というように、段階的に設定すると現実的です。

4. 2030年までに不良・材料ロスを減らす

GXはエネルギーだけではありません。不良品や材料ロスも、材料・電力・作業時間のムダにつながります。

中小製造業の目標例としては、

  • 不良率を5〜20%削減
  • 材料ロス率を5〜20%削減
  • 再加工件数を10〜30%削減
  • 廃棄量を10%以上削減

などが考えられます。 これは環境対応であると同時に、原価低減にもつながります。

5. 2030年までに取引先へ説明できる資料を作る

今後は、取引先から「CO2排出量を把握していますか」「省エネに取り組んでいますか」「材料ロス削減の取り組みはありますか」と聞かれる可能性があります。

そのため、2030年までには少なくとも、自社のエネルギー使用量、CO2排出量の推移、不良削減の実績、材料ロス削減の実績、省エネ設備への更新状況、今後の削減目標
を1枚の資料で説明できる状態にしておくとよいかもしれません。

このように、GXの第一歩は、製造現場のさまざまなムダを見える化し、目標となる数値を決めることです。
そして、その見える化を支えるのが、生産管理システムです。

日々の実績入力や工程ごとの進捗管理に加えて、環境に関わる数値も入力・管理できるようになれば、製造現場の改善とGX対応を同時に進めることができます。
 

※画像はイメージです


 

GXは生産管理と切り離せない

自社に合った入力画面が必要になる

ただし、GXに関わる管理項目は、会社によって異なります。

電力使用量を工程ごとに管理したい会社もあれば、設備ごとに燃料使用量を入力したい会社もあります。
材料ロスを品番ごとに見たい場合もあれば、不良数や再加工数とあわせて確認したい場合もあるでしょう。

そのため、GX対応を進めるためには、自社の現場に合った入力画面や管理項目を用意できることが重要です。

決まった項目しか入力できないシステムでは、現場に合わず、結局Excelや紙で別管理になってしまう可能性があります。
これでは、せっかく集めたデータも活用しづらくなってしまいます。

GXを無理なく進めるためには、日々の生産実績とあわせて、必要な数値を入力・管理できる仕組みづくりが大切です。
 

i-PROWなら、現場に合わせたカスタマイズが可能です

デジットワークスの生産管理システム「i-PROW」は、製造業様の現場に合わせたカスタマイズが可能です。

たとえば、GXに配慮した製造を進めるために、日々測定した数値を入力する画面を追加したり、自社独自の管理項目を設けたりすることも可能です。

生産数量や作業実績だけでなく、電力使用量、材料ロス、不良数、設備稼働時間など、GXに関わる数値を管理できるようにすることで、現場の改善活動にもつなげやすくなります。

GXは、特別な取り組みとして始めるものではなく、日々の製造活動の中で少しずつ進めていくものです。
そのためには、現場で無理なく入力でき、必要な情報を見える化できる仕組みが欠かせません。

これからの製造業では、品質・納期・コストに加えて、環境への配慮も重要な競争力のひとつになります。
デジットワークスでは、お客様の現場に合わせた生産管理システムのご提案を通じて、製造現場の改善とGXへの取り組みをサポートしてまいります。

出典・引用元:経済産業省 GX実現に向けた今後の取組(2023年3月の資料)